写真1 432mm
ケンコー(Kenko)のクローズアップレンズを購入したので、この機会にS2ISのマクロ機能と、クローズアップレンズの効果のテスト撮影をした。
S2ISはスーパーマクロモードといって、0cmまで近づけるモードがあるのだが、それは広角側に限られ、望遠側だと約80cm近くまでしか寄れないし、その場合だとそれほどの拡大にならないので、そこに、クローズアップレンズの出番となる。
ここでは、S2ISの単体でどの程度のマクロ撮影ができるのか、そして、クローズアップレンズをつけた場合の効果を試してみた。テストに使ったターゲットはガラス製の花。花の直径は4cm。
まず、写真1はテレ端432mm相当で、対象の距離まで約80cm。テレ端ではここまでしか近づけない。
これ以上大きく撮りたいときは近づく必要があるのだが、その場合は、焦点距離も短くする必要がある。以下、試してみよう。
写真2 151mm
写真2は約50cmまで寄ってみる。この距離でピントを合わせるには、焦点距離は150mmくらいまで短くする必要がある。焦点距離が短くなるので、近寄っても画像はかえって小さくなる。
写真3 81mm
写真3はさらに約20cmまで寄る。焦点距離は80mmほど。この組み合わせだと再び画像は大きくなる。
写真4 36mm
写真4は、距離約10cm。広角端36mmで、マクロモードに設定してピントが合わせられる。
写真5 36mm
写真5は、距離約5cm。広角端36mmで、スーパーマクロモードに設定。
さらに近づいて大きくすることは可能だが、現実問題、このくらいがスーパーマクロで近づいて拡大できる限度かと思われる。5cmというのは実際非常に近い。これ以上近づくと、対象がレンズにぶつかるのが怖い。
写真1と比べると、対象の大きさは同じくらいに拡大できるが、背景が、望遠と広角の違いとしてよく表れていることが分かる。
以上のように、S2IS単体だとある程度はなれて撮影する場合、写真1程度の拡大が限界である。
マクロモード、スーパーマクロモードにして近づくことによって写真5程度の拡大撮影は可能だが、広角側のマクロであり、また、非常に対象に近づく必要がある。
そこで、クローズアップレンズの出番である。
写真6 432mm
写真7 432mm
購入したクローズアップレンズはMC No.1とMC No.2。
まずNo.1を試してみる。No.1は対象との距離が大体 1m~50cm の間で使用できる(ピントが合う)ようになっている。その間だと、カメラ側のレンズの能力(焦点距離)によって拡大率を変えることができる。
そして、ここでS2ISの超望遠が威力を発揮する。432mm相当の拡大能力を、上記の焦点距離で使用できるのである。以下の写真を見てみよう。
写真6はテレ端で、距離約1m。
写真7はさらに寄って距離50cm。
望遠側でここまで寄れ、その結果、ここまで拡大できるのである。
写真8 432mm
写真9 432mm
さらにNo.2を試してみる。No.2は対象との距離が大体 50cm~30cm の間で使用できるようになっている。焦点距離は同じくテレ端432mm相当。
写真8は距離50cm。
写真9は距離30cm。
これらの写真を見て分かるとおり、クローズアップレンズを使うと、望遠側で1m~30cmくらいの妥当な距離から背景をぼかした上で、ここまで拡大撮影できるのである。